医療心理学・行動医学に関するネットワーク

6月, 2008のアーカイブ

がん患者の心配評価尺度(Brief Cancer-Related Worry Inventory:BCWI)

月曜日, 6月 9th, 2008

はじめに

がん患者は、がん罹患に付随して様々な内容の心配事を抱える。これまで不安と抑うつを測定するための尺度として、Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS)などが開発されている。これらの尺度では、不安の症状を測定することはできるが、不安や心配していることの内容を評価することはできなかった。心配事の内容を評価できることは、それぞれの患者のニーズに応じたケアの提供につながる。患者を不安にさせる要因として、感情に関する心理的要因、身体的要因や人間関係に関する要因などが挙げられている。しかし、その中でも、出来事からのイメージによって生じる心配、特に将来に対する心配は、他の「不安」と区別する必要があると考えられる。「がん患者の心配評価尺度(Brief Cancer-Related Worry Inventory:BCWI)」は、がん患者がもつ、がんと関連した心配事の内容や心配の大きさを評価するための心理尺度として開発された1。BCWIは3因子15項目からなり、下位尺度は、1)将来に対する心配(Future prospects;6項目)、2)身体に関する心配(Physical and symptomatic problems;4項目)、3)社会や対人関係に関する心配(Socal and interpersonal problems;5項目)である。

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