がんの補完代替医療「家族の期待」強く後押し
木曜日, 1月 17th, 2008先日お知らせした、Annals of Oncology誌に掲載された “Psychological and behavioral mechanisms influencing the use of complementary and alternative medicine (CAM) in cancer patients.”の論文が共同通信社を通して配信され、各地の地方紙に掲載されました。
先日お知らせした、Annals of Oncology誌に掲載された “Psychological and behavioral mechanisms influencing the use of complementary and alternative medicine (CAM) in cancer patients.”の論文が共同通信社を通して配信され、各地の地方紙に掲載されました。
がん患者の補完代替医療の利用に関する心理・行動的メカニズムについての調査結果を報告した論文「Psychological and behavioral mechanisms influencing the use of complementary and alternative medicine (CAM) in cancer patients.」がAnnals of Oncology (IF = 5.179)のオンラインにてパブリッシュされました。この論文の内容の解説はCSCDのホームページにアップしましたので、そちらをご参考下さい。
Hirai, K., Komura, K., Tokoro, A., Kuromaru, T., Ohsima, A., Ito, T., Sumiyoshi, Y., Hyodo, I.: Psychological and behavioral mechanisms influencing the use of complementary and alternative medicine (CAM) in cancer patients. Annals of Oncology 2007; doi: 10.1093/annonc/mdm494 (さらに…)
肺がん患者の外来化学療法移行に関する調査研究の結果を報告した論文「Self-efficacy, psychological adjustment and decisional-balance regarding decision making for outpatient chemotherapy in Japanese advanced lung cancer」がPsychology and Health (IF = 1.636) に掲載が決定しました。論文の内容については後日報告したいと思います。
Hirai, K., Arai, K., Tokoro, A., Naka, H.: Self-efficacy, psychological adjustment and decisional-balance regarding decision making for outpatient chemotherapy in Japanese advanced lung cancer. Psychology and Health, in press
「はじめての質的研究法」という本が東京図書から出ました。この本は、医療関係の分野でどうやって質的研究をするのかということについて、基礎的なことと事例の両方から書かれています。このうち事例編のほうに、このWebでご紹介している、Good deathのインタビュー調査での経験について平井が書かせてもらいました。ほぼ論文前編を邦訳していますので、論文を読まれる場合もこちらの本を読まれたほうが分かりやすいかもしれません。質的研究は、研究自体の個別性が高いので、こうした事例を勉強することがその方法論習得のためには一番近道だと思います。
緩和ケア臨床・研究・教育ツール(palliative care clinical, research and education tools)のウェイブサイトをご紹介します。緩和ケア・緩和医療の領域で使用することが出来る各種ツールが網羅的に紹介されています。私たちが開発にかかわった、ホスピス・緩和ケア病棟のケアに対する評価尺度(CES)や死生観尺度も紹介されています。
緩和ケア臨床・研究・教育ツール(palliative care clinical, research and education tools)
Miyashita, M., Sanjo, M., Morita, T., Hirai, K., & Uchitomi, Y. (2007). Good death in cancer care: a nationwide quantitative study. Ann Oncol.
共同研究者の宮下先生が書かれた、”Good death in cancer care: a nationwide quantitative study”がオンラインで公開さ れました。この論文では、ランダムサンプリングされた約5000人の一般の人たちと約500名の遺族を対象に、調査を実施して私が昨年JPSMに報告した 質的研究で抽出した終末期医療のアウトカムとなるべき57個のGood deathの構成要素とその構造を定量的に確認した結果が報告されています。これで2000年から始まったGood death研究プロジェクトは一応終了したことになります。一連の研究の最大の意義は、終末期医療のアウトカムを「ボトムアップ」に決めていったと言うこ とにあります。これまでは、日本の終末期医療は、どちらかといえば理念や理想を中心としてきましたが、これらの研究で、患者さんやご家族、それからわれわ れ一般の人たちが考える「望ましい死と死の過程」が医療に反映されるようになるのではないかと思います。もちろんこの研究はマスとしての意見を集約したも ので、実際の臨床の場面ではこれとは別に個々の意向を丹念に聴取して、”その人のアウトカム”を個別に決めていく必要があります。
Hirai, K., Miyashita, M., Morita, T., Sanjo, M., & Uchitomi, Y. (2006). Good death in Japanese cancer care: a qualitative study. J Pain Symptom Manage, 31(2), 140-147.
この論文は一連の“Good death study”の口火をきることになった論文です。患者・家族・医療従事者を対象にインタビューを行い、 「望ましい死・死の過程」とは何かを明らかにしようとしました。これまでの終末期医療ではあまり行われてこなかったボトムアップの視点からの研究になったと思います。個人的にもインタビューアー、解析者としてもとても良い経験となった研究でした。 (さらに…)