医療心理学・行動医学に関するネットワーク

‘学会’ カテゴリーのアーカイブ

【学会報告】第27回AIDS学会に参加して

月曜日, 12月 9th, 2013

11月20日〜22日に熊本で開催された第27回AIDS学会に参加しました。AIDS学会は、HIV/AIDS領域に関わる医療関係者、患者、NPO/NGO団体等全ての方が情報交換できる場として開かれています。HIV/AIDSの最新の知識を医療従事者のみならず、当事者の方も一緒に共有し、学べることが特徴です。

HIV感染症は治療の飛躍的な進歩により、完治は未だできないものの、免疫機能を安定させることはできるようになり、早期発見・早期治療ができればAIDS発症もおさえることができるまでになりました。すなわちかかったら死ぬという疾患ではなく、慢性疾患の一つとなったといえます。しかしながら療養が長期にわたることで、患者の抱える課題も様々になってきました。学会では、生活習慣病や喫煙、飲酒、薬物依存などの課題についての発表も見られました。行動医学の分野の発表はまだ無いに等しいですが、先に述べた領域や予防行動としてのスクリーニング検査受診やコンドームの使用など、取り組むことができそうな領域は多くあると感じました。

さて今回は「当科における長期療養を要する患者の検討」というテーマで口頭発表をしてきました。治療は飛躍的に進歩したとはいえ、脳症などのAIDS発症や、高齢に伴う脳血管疾患等による後遺症により、長期療養ができる医療機関や施設への入院・入所や、自宅に退院するにあたってのサービスの調整が必要になってくることもあります。しかしながらHIV感染症に対する偏見によって調整が困難になることが非常に多く、今回はその実態と課題について発表をしました。発表をまとめるにあたって、同職種だけでなく医師等の他職種の意見をいただきながら進める過程においては、それぞれの職種の視点を学ぶことができました。またその中でソーシャルワークの視点を改めて確認することもできたと思います。学会という場で研究を発表することの大切さを実感しました。また研究は発表することで終わるのではなく、明らかになった課題に対して現場で改めて取り組んでいくものだということも実感しました。

現場で働くことで精一杯という言い訳を自分にして研究や学会発表から遠ざかっていましたが、今回得られたことを大切にして研究にも取り組んでいきたいと思います。

(文責:黒田(長塚)美和)

15th World Congress of Psycho-Oncology and Psychosocial Academyに参加して

月曜日, 12月 2nd, 2013

11月6〜8日にロッテルダム(オランダ)で開催された15th World Congress of Psycho-Oncology and Psychosocial Academy に参加してきました。今年は、日本の先生方の発表も多かっただけでなく、浅井真理子先生(帝京平成大学)が賞を受賞されるなど、日本の研究がより世界へ伝わったのではないかと思います。

オープニングのセッションのテーマはサバイバーシップで、今年の日本サイコオンコロジー学会(JPOS)でもそうでしたが、サバイバーの仕事に関することが注目されていました。また、個人的な興味は、がん患者さんのニーズや心理的サポートサービス利用なのですが、ニーズについての研究発表が多く学びが多いものとなりました。そして、日本では見かけない、セクシュアリティに関するセッションがありました。セクシュアリティの問題と言えば私の中では女性のがん患者さんのことがぱっと出てきますが、そのセッションでは男性のがんについての発表もあり、個人的には未知の領域だったので勉強になりました。まだまだ日本では女性のがん患者さんの支援が多い印象をうけますが、男性がん患者さんの支援の必要性も感じました。

ポスター発表では、サバイバー支援、スタッフ教育に関する発表が多かった印象ですが、もちろん不安・抑うつ・睡眠障害・スピリチュアリティ・死に場所の選好に関する発表もありました。新しいなと感じたのは、子宮頸癌ワクチンの接種に関する研究です。親が子供にワクチンをうたせるかどうかについて計画的行動理論とその他の変数で検討されていました。日本ではその摂取についてはよくニュースにもなっていますし、日本で同様の研究をやったらどうなるのだろう!と思った次第です。

 

(私は参加していませんが、4〜5日のワークショップも内容が充実していてよかったと参加された先生がおっしゃっていました。)

 

今回の経験を励みにし、今後一層努力していきたいと思います。

(文責:松井智子)

【学会報告:第26回日本サイコオンコロジー学会に参加して】

火曜日, 10月 15th, 2013

平成25年9月20-21日に開催された第26回日本サイコオンコロジー学会総会@大阪国際交流センター(http://jpos26.umin.jp/)に参加しました。全体で約1300名の参加があったそうで、大盛況でした。今回の学会は、委員として学会のプログラムを企画する段階から参加し、学会が作られていく過程も経験させていただき、私にとって特別な学会となりました。GRAPPOのメンバーも、積極的に参加し、精力的にポスター発表をしていて、心強かったです。

さて、たくさんの魅力的なシンポジウムや講演がありましたが、ひとつ取り上げて紹介しようと思います。それは企画に携わった2日目の「真の多職種協働を目指して-課題と工夫」というシンポジウムです。医者、看護師、薬剤師、心理士、MSW、在宅緩和ケア医がそれぞれの立場で専門性を活かしつつ、どのように考え、どのように工夫し、どのような役割を担って、動いているのかがわかり、ゴールを共有して連携していくプロセスの中で、単なる専門性の持ち寄り以上にチームの力が発揮されている舞台裏を垣間見られたように感じました。幅広い職種の先生方の精力的なご活動に関するご発表は、頭が下がる思いでした。

今回のシンポジウムの企画段階で一番印象的だったのが、「シンポジウムの目的」をはっきりさせた上で企画をする大切さです。すでに多職種協働の重要性や難しさは、多くの医療者が実感している中で、どのような目的で誰を対象にシンポジウムを企画するのかを明確にした上で企画することで、有意義な時間を創り出すことができるのだと感じました。例えば、多職種協働に関する別の企画アイデアとしては、テーマを絞り、プライマリチームとセカンダリチームの連携の際に生じる齟齬や問題点などに焦点を当てても、有意義な議論ができるのではないかと考えました。

この数年、学会にほとんど参加できていなかった私でしたが、本学会では本当にたくさんの刺激をいただきました。サイコオンコロジー分野では、多くの人の想いや時間の積み重ねで良い研究が出来上がっていくこと、研究と現場をつなぐのもまた多くの人の想いや信念であることを再確認できる学会となりました。

来年は東京!今年よりも少し成長して参加できるように頑張ります!

(文責:塩﨑麻里子)

 

【学会報告】ワークショップ「健康教育における戦略的コミュニケーションの方法」(日本健康心理学会第26回大会)に参加して

水曜日, 10月 9th, 2013

9月1~2日に開催された日本健康心理学会において, 学会広報委員の企画によるワークショップ 「健康教育における戦略的コミュニケーションの方法」が開催されました。 講師は我らが平井先生で,私はファシリテーター役として参加しました。

ワークショップの内容は,直前まで 平井先生とあれこれ意見を交わしつつ,練っていきました。 膨大にある平井先生のアイデアから この2時間を立体的に構成するためのトピックスをどう選び,組み立てていくか。 これを考えていく平井先生の思考プロセスにお付き合いできたことは, とても刺激的な体験で,ファシリテーターの役得だなあと感じました。

そして当日。 ワークショップ全体のスタイルは,ここ数年の平井先生の授業スタイルと同様, 受講者参加型の,双方向スタイルでした。 意見を求められつつの受講だと,必然的に「主体的に考えながら参加する」 ことになります。このスタイル自体,とても学びになりました。

内容としては,前半「戦略的コミュニケーション」に関わる講義が行われ, 後半は健康心理学会の広報を題材に, 「WHO(対象は?)」,「WHAT(どうなってほしい?何を伝えたい?)」 「HOW(どうやって?)」といった観点から具体的な広報活動について検討しました。 もっと時間があればと思うぐらい,あっという間の2時間でした。

受講者の方の感想が,健康心理学会のHPにも掲載されていましたので よかったらご参照ください。

http://jahp-public.blogspot.jp/2013/09/26nl.html

(文責:中村菜々子)

【学会報告】健康心理学会WS・健康心理学におけるfeasible, effective, meaningfulな研究計画の立案に向けて

月曜日, 11月 1st, 2010

9月12日に江戸川大学(千葉県柏市)で開催された日本健康心理学会において,研究計画の立案に関するワークショップが開催されました。平井先生より研究プロトコール立案プロセスについてのレクチャー,ついで指定討論者である自治医科大学の石川先生より,企業や行政との共同研究や実践のご経験に基づき,心理学の研究成果を政策に取り上げてもらえるための秘訣に関するレクチャーをいただきました。その後,私は人工透析患者の治療開始時のパーソナリティ変数や物事に対する態度が,その後の治療コンプライアンス行動や合併症発症とどのように関係するかを検証するための研究プロトコールについて提案を行い,ディスカッションの俎上にのせていただきました。 (さらに…)

【学会報告】第3回Medical Psychologist Networkミーティング

土曜日, 10月 2nd, 2010

第3回を迎えたMPN(Medical Psychological Network)ミーティングでは「医療心理学におけるプレゼンテーションとPR活動(Public relation)」がテーマであり、私からは「医療領域での広報活動」として発表させて頂きました。この発表を担当するように言われた時は、“臨床実践の話なので楽しもう”と軽い気持ちで受けました。しかし、その準備をする中でとても重要なテーマであることを感じました。 (さらに…)

【学会報告】サイコオンコロジーのワークショップ(日本心理学会)に参加して

金曜日, 10月 1st, 2010

日本心理学会にて、7年目を迎えるサイコオンコロジーのワークショップ(心理士の役割と教育プログラムについて)に参加しました。企画者は、岩満優美先生(北里大学)と企画者平井啓先生(大阪大学)です。話題提供は、企画者のお二人と、小野久美子先生(群馬県立がんセンター)が担当され、指定討論者として、中里克治先生(東京福祉大学)がご登壇くださいました。 (さらに…)