医療心理学・行動医学に関するネットワーク

[学会報告]日本心理学会第72回大会(2008)

9月19日(金)-21日(日)に北海道大学で開催されました日本心理学会第72回大会にて、

以下の発表をしてきましたので、ご報告します。

Trans-theoretical ModelとTheory of planed behaviorを用いたがん患者の補完代替医療の受療行動に関する研究 
  平井 啓・古村和恵

[Abstract]
 全国の3,100人のがん患者を対象とした、がん患者の補完代替医療(Complementary and Alternative Medicine; CAM)の実態調査(2001-2004)の結果、約45%がなんらかのCAMを利用していることが明らかとなった。そこで本研究では、がん患者がなぜCAMを利用するのか、そのメカニズムを明らかにするために調査研究を行った。本研究では、がん患者のCAM利用を一つの行動としてとらえ、その行動を起こさせる意思決定、その行動を維持させる要因を明らかにするために、Trans-theoretical Model (TTM)Theory of Planed Behavior (TPB)の2つの応用行動理論を用いた。
  日本の
3つの地域のがん専門病院のがん患者1100人を対象に、質問紙調査を実施した。結果、521名の患者から有効な回答が得られ、「興味はあるが、実際にはまだ利用していない」という潜在的CAM利用者が多数いることが明らかとなった。また、CAMの利用については態度要因が強く影響している一方で、心理的苦痛のような情緒的要因はあまり関係していないことが明らかとなった。
  以上のことから、患者、家族の持つ態度へ最も影響を与えると考えられる
CAMに関する情報提供のあり方について検討し、体系を整備していく必要がある。そのために現在の研究班では、信頼できる情報をつくるための研究の継続や、ホームページや患者向けガイドブックなどのメディアを通じた情報提供活動を行っている。

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