医療心理学・行動医学に関するネットワーク

ホスピス・緩和ケア病棟への入院に関する意思決定に対する遺族の後悔尺度

概要

我が国におけるがん患者と家族は多くの場合、積極的治療を行わないという意思決定を行ったのちに,ホスピス・緩和ケア病棟に入院することになる。その意思決定は,病状の悪化や死を意識させるため,患者と家族にとっては困難を伴うことがある。そのため、その時期に必要なケアや望ましいコミュニケーションに関して、数多くの研究がなされた。しかし、その意思決定を後の遺族がどのように評価し、どのような感情を抱いているかについては,これまで検討されてこなかった.そこで、ホスピス・緩和ケア病棟への入院に関する意思決定に焦点を当て、簡便に遺族の後悔の程度を測定できる尺度を開発した。この尺度を用いて、遺族の後悔を測定することで、遺族の感情状態を測定できるだけでなく、過去の意思決定を評価できる点が特徴である。

対象

基本的には、ホスピス・緩和ケア病棟への入院に関する意思決定を行った遺族が対象であるが、項目を変更することで、その他の意思決定に対する後悔をも測定することができる可能性がある。

項目数

7項目

下位尺度

*意思決定に関する後悔(decisional regret,4項目):意思決定のプロセスやその結果に対する現在の認知的評価を測定するための項目で構成されている。具体的には、「ホスピス・緩和ケア病棟へ入院したことは正しかった」、「もう一度選べるとしても、同じことを選ぶと思う」、「ホスピス・緩和ケア病棟への入院は十分納得して決められた」といった質問項目である。

*後悔に関する侵入的思考(intrusive thoughts about regret,4項目):意思決定のプロセスやその結果に対する後悔の強さを測定するための項目で構成されている。具体的には、「違う選択をしたら、今どうなっているかと考え始めるとやめられない」、「違う選択をしたらと考え始めると、他のことが考えられない」、「違う選択をしたらと考えることによって、日常生活に支障がある」といった質問項目である。

注:各下位因子は、上記3項目に加えて、「ホスピス・緩和ケア病棟へ入院させたことを、後悔している」の4項目で、下位因子得点を換算することができる。この1項目が、両下位因子にまたがる因子構造をしているため、全7項目で各下位因子が4項目となる。

評価方法

アンケート調査等に組み込んで評価できる。

採点方法

下位因子それぞれについて合計得点を算出する。

尺度の出典

Shiozaki M, Hirai K, Dohke R, Morita T, Miyashita M, Sato K, Tsuneto S, Shima Y, Uchitomi Y. 2008 Measuring of the regret of bereaved family members regarding the decision to admit cancer patients to palliative care units. Psychooncology. (in press, PMID: 18157913)

使用許諾

発表の際には出典を明記すること。できれば研究開始時から発表時に連絡のこと。

ダウンロード

尺度ファイルのダウンロード

コメントを残す