医療心理学・行動医学に関するネットワーク

補完代替医療学会

11月3/4日に九州大学で開催される日本補完代替医療学会に参加・発表してきます。発表タイトルは、「術後悪性呼吸器疾患患者の退院前後の身体活動量の変化と心理状態」(○平井 啓 荒井弘和 湯川沙世子 井倉 技 澤端章好 奥村明之進 伊藤壽記)です。抄録

【目的】
術後の肺癌を中心とする悪性呼吸器疾患患者を対象として,術後入院の期間、退院直後の期間、退院後約3週間後の期間の身体活動量の変化と心理状態との関連を実証的に検討した。
【方法】
本研究は前向き観察研究である.対象者は,退院前から研究に参加することができた術後の肺癌・悪性呼吸器疾患患者7名であった。対象者は、同意書に署名し、約4週間の研究に参加した。研究開始時と開始から4週間後の終了時に質問紙への回答を求めた。身体活動は,uniaxial加速度計 (ライフコーダーEX®,スズケン社製) を用いて記録された。心理状態の指標は、Hospital Anxiety and Depression Scale (HADS) 日本語版を用いた。
【結果】
対象者の平均年齢は、65.0±6.7歳、男性2名、女性5名、平均BMIは、22.7±2.8であった。術後入院中で質問紙調査から5日間の平均歩数は3531.8±1236.9歩、退院直後5日間の平均歩数は1963.9±915.4歩、退院後外来での質問紙調査直前の5日間の平均歩数は4337.5±1791.2歩であった。繰り返し測度の分散分析の結果、入院中から退院直後にかけて身体活動が有意に低下し(P < 0.05)、さらに他院直後から退院後約3週間の時点にかけて有意に増加する(P < 0.01)ことが明らかになった。初回質問紙調査時点で、HADSの総得点が適応障害のカットオフ値11点以上(N = 4)と以下(N = 3)について身体活動量の違いを一元配置分散分析で検討したところ、入院中の5日間の平均歩数が適応障害群で2521.1±585.6歩、正常群で4289.8±1021.7歩で有意に適応障害群の方が身体活動量が少なかった(P < 0.05)。その他の地点での有意な身体活動の違いは見られなかった。
【結論】
術後の肺癌を中心とする悪性呼吸器疾患患者は、退院により一時的に身体活動量が低下するが、期間が経つことにより身体活動量が高まることが明らかになった。さらに入院中の心理状態が悪い患者は入院中の身体活動量が少ないことが明らかになった。

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