医療心理学・行動医学に関するネットワーク

【学会報告】第26回総合病院精神医学会に参加して

 2013年11月29日-30日の2日間、京都で行われた第26回総合病院精神医学会に参加してきました。総合病院精神医学会は、医師はもちろん、看護師や臨床心理士などコメディカルも積極的に活動している学会で、比較的フランクな雰囲気のある学会だと感じます。全体的には、平成24年度の診療報酬改定により『精神科リエゾンチーム加算』(200点)が新設されたこともあり、“多職種連携”に焦点をあてた内容が多かったように見うけられました。

 今回参加して感じたことは、以下の3つです。

 まず、今後ますます身体医療において精神科的な治療(対応)が求められていくということです。今回の学会でも多数の症例発表がありましたが、統合失調症やうつ病など精神疾患を患っている人が糖尿病といった身体科の慢性疾患を患う場合から、身体科に入院した患者さんの背景に、認知症や発達障害からアルコール問題など精神科的な疾患が潜んでいる場合も考えられます。そして、こうした症例は決して少なくなく、今後ますます連携をとりながら対応する場面が増えていくことになると感じました。

 次に、やはりチーム医療や連携についてです。あるシンポジウムでは多職種チームの成熟を『野球型のチーム』から『サッカー型のチーム』になっていくとの発表がありました。多職種で働く中で、確かに役割分担は必要です。しかし、チームがスムーズに機能するには、たとえ違う職種であっても、ある程度他の専門的知識について知っておく必要性を示唆したものと思います。この表現は現場での体感と近いと思いました。また、ここからは私見ですが、共通した能力として『マネジメント』が位置づけられるように思います。ケース全体の進み具合や、ケースごとに求められる自分のポジショニングなど、全体を把握しながら専門性を発揮する(もしくは発揮しない)能力が重要なのかと感じました。

 最後に、今回の学会では、『医療従事者の健康支援委員会』に参加させて頂きました。1つ1つの病院では、精神科医師や臨床心理士が医療機関の精神保健を担当していることが多いようです。しかし全体として、医療従事者の精神保健上の課題は大きく、今後、この委員会で調査などを行っていく予定になっています。加えて、この取り組みには厚生労働省の医療労働企画官も参加されており、国の対策として医療従事者の精神保健の取り組みが進められていく方針のようです。

医療場面において、心理学や行動科学が貢献できることは今後ますます大きくなると感じます。

“現場での実感を研究に展開し、研究で得られた知見を現場に還元する”

現場と研究との“連携”を大切にするGrappoで、今後どのようなことに取り組んでいくかを考えていきたいと思います。

(文責:谷口敏淳)

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