医療心理学・行動医学に関するネットワーク

【学会報告】第27回AIDS学会に参加して

11月20日〜22日に熊本で開催された第27回AIDS学会に参加しました。AIDS学会は、HIV/AIDS領域に関わる医療関係者、患者、NPO/NGO団体等全ての方が情報交換できる場として開かれています。HIV/AIDSの最新の知識を医療従事者のみならず、当事者の方も一緒に共有し、学べることが特徴です。

HIV感染症は治療の飛躍的な進歩により、完治は未だできないものの、免疫機能を安定させることはできるようになり、早期発見・早期治療ができればAIDS発症もおさえることができるまでになりました。すなわちかかったら死ぬという疾患ではなく、慢性疾患の一つとなったといえます。しかしながら療養が長期にわたることで、患者の抱える課題も様々になってきました。学会では、生活習慣病や喫煙、飲酒、薬物依存などの課題についての発表も見られました。行動医学の分野の発表はまだ無いに等しいですが、先に述べた領域や予防行動としてのスクリーニング検査受診やコンドームの使用など、取り組むことができそうな領域は多くあると感じました。

さて今回は「当科における長期療養を要する患者の検討」というテーマで口頭発表をしてきました。治療は飛躍的に進歩したとはいえ、脳症などのAIDS発症や、高齢に伴う脳血管疾患等による後遺症により、長期療養ができる医療機関や施設への入院・入所や、自宅に退院するにあたってのサービスの調整が必要になってくることもあります。しかしながらHIV感染症に対する偏見によって調整が困難になることが非常に多く、今回はその実態と課題について発表をしました。発表をまとめるにあたって、同職種だけでなく医師等の他職種の意見をいただきながら進める過程においては、それぞれの職種の視点を学ぶことができました。またその中でソーシャルワークの視点を改めて確認することもできたと思います。学会という場で研究を発表することの大切さを実感しました。また研究は発表することで終わるのではなく、明らかになった課題に対して現場で改めて取り組んでいくものだということも実感しました。

現場で働くことで精一杯という言い訳を自分にして研究や学会発表から遠ざかっていましたが、今回得られたことを大切にして研究にも取り組んでいきたいと思います。

(文責:黒田(長塚)美和)

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