医療心理学・行動医学に関するネットワーク

Good death in Japanese cancer care: a qualitative study

Hirai, K., Miyashita, M., Morita, T., Sanjo, M., & Uchitomi, Y. (2006). Good death in Japanese cancer care: a qualitative study. J Pain Symptom Manage, 31(2), 140-147.

この論文は一連の“Good death study”の口火をきることになった論文です。患者・家族・医療従事者を対象にインタビューを行い、 「望ましい死・死の過程」とは何かを明らかにしようとしました。これまでの終末期医療ではあまり行われてこなかったボトムアップの視点からの研究になったと思います。個人的にもインタビューアー、解析者としてもとても良い経験となった研究でした。

要約
緩和ケアのもっとも重要な目的の1つに望ましい死や、望ましい死の過程を達成することがあげられる。本研究の主な目的は、がん患者やその家族、および医師や看護師との質的な面接調査を通して、日本人の望ましい死の構成概念を特定することである。全国5つのがん拠点病院のがん患者13名、家族10名、医師20名、および看護師20名を対象として半構造化面接を実施した。内容分析をおこなった結果、58の構成要素が抽出され、17の上位カテゴリーに分類された。得られた17のカテゴリーは「身体的・精神的苦痛がないこと」「家族とのよい関係」「望んだ場所で過ごす」「医療者とのよい関係」「負担にならない」「尊重される、尊厳が保たれる」「人生を完成させる」「コントロール感を保つ」「がんと闘う」「希望の維持」「無駄な延命をしない」「他人の役に立つ」「残された時間を知って準備ができる」「死を意識しない」「他人への感謝」「プライドを維持する」「信仰を持つ」であった。本研究によって、日本における望ましい死の重要な構成要素が明らかとなった。今後、日本における緩和ケアの主な目的としてこれらの結果を般化することが可能であるか、ということを明らかにするために、量的調査を実施する予定である。

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