医療心理学・行動医学に関するネットワーク

【学会報告】第3回Medical Psychologist Networkミーティング

第3回を迎えたMPN(Medical Psychological Network)ミーティングでは「医療心理学におけるプレゼンテーションとPR活動(Public relation)」がテーマであり、私からは「医療領域での広報活動」として発表させて頂きました。この発表を担当するように言われた時は、“臨床実践の話なので楽しもう”と軽い気持ちで受けました。しかし、その準備をする中でとても重要なテーマであることを感じました。当日は平井先生によるマーケティングの話をスタートに、学会発表での失敗談と工夫、英字論文執筆のご苦労とコツなど、現実的で身近な、そして重要な課題について先生方のディスカッションが展開しました。その中で、自分の発表は大丈夫なのか?とドキドキしながらその時を迎え、緊張しつつも楽しく発表させてもらえたと思います。私の発表の目的は、「医療現場で心理の仕事をどのように知ってもらうか?」ということについて、実践を通じて検討することであったと思います。時間の都合上、発表後のディスカッションがあまりできませんでしたが、何に対して貢献でき、それをどのようにアピールしているのかを、自分自身でも整理できる機会を頂いたと思います。さらに、「得るものが多かったなぁ」と感じたのは、現場に帰ってからでした。現代医療、特に身体科領域の多くは、数値などの明確な客観的指標により情報が共有され、介入方針が決められていると思います。しかし一方で、精神医学や臨床心理学では、(一部の器質性精神疾患を除き)患者さまの主観的情報、そして治療者の主観的判断により介入方針が決められていきます。昨今聞かれる、広汎性発達障害や高次脳機能障害といった認知機能についても、現段階ではこの領域かと思います。これら“客観”と“主観”の違いは同じ医療の中にあって非常に大きな違いであり、どうしても伝達や共有が難しい後者の領域において、マーケティングやプレゼンテーションの専門的な知識や技術が注目されはじめることは必然なようにも感じます。そういった観点から考えると、CBTはプレゼンテーションの点で秀でた心理療法なのかもしれません。主観的な世界を専門とする心理職は、他職種に比べて、より“伝える”技術が重要になるのかと思います。わたしたち医療領域で研究や実践を行う人間が、“何ができるのか?”について研鑽を重ねると同時に、“どのように知ってもらうか”、そして“どのように使おうと思ってもらうか”について工夫していくことは、心理学の社会的意義の向上をもたらし、より働きやすい、研究しやすい環境に導いてくれるものなのではないでしょうか・・・そんなことを思いながら、明日も臨床や研究に従事できればと思っています。

(文責:谷口敏淳)

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